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● 1991/08
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なんだかんだといいましても、日本人(タイシュー)はリッチですねエ。
ヨーフクも買いました。
食い物にもうるさいもんだから、山本益博の本に出ている店はシラミ潰しにあたってます。
今の世の中は、タイシューが「王侯貴族を追体験する時代」なんです。
しかしまア、金があるったって、限度はあるから、そう湯水のようには使えない-----。
んが、シカシもはやタイシューの欲望する物は、衣食から「住の部」へ突入しておりますよ。
そう!! インテリアには、大いに興味を示しておりますんでございます。
インテリアといえば、当今はなんといっても板の間である。
板の間がなくちゃ、ナウでありません!!
CMをごらんなさい。
板の間のないCMがありますか?
もはや板の間なしでは現代のインテリアは語れません!!
そういうわけで今回は、板の間のインテリアの注意事項、陥りやすい間違いを、チェックしておきたい----と、このようにおもいますです。
キンモツ その1:「縁側的なるもの」
「
ナウなインテリアの板の間には、置いちゃイケナイものがあります。
コーデイネイトを間違えると、単なる「縁側に逆戻り」。
座布団にチャンチャンコ、
白黒のブチネコ、
菊の盆栽、
湯呑み茶碗にキュース、
これはイケナイ。
つまり「年寄りがキンモツ」です。
」
キンモツ その2:「教室的なるもの」
「
ランドセル、ゾーキン、バケツ
というのもいけません。
ウワバキ、ゾーリ袋
等にも気をつけたい。
黒板、黒板フキ
等もしりぞけなくてはいけないものです。
つまり「ガキがキンモツ」。
」
キンモツ その3:「銭湯的なるもの」
「
しかし、なんといっても一等キンモツは----。
脱衣カゴ、
あれがイケナイ。
体重計、ロッカー
等もイケマセン。
センメンキ、石鹸箱、タオル掛け、柄の短いホーキ
もマズイです。
もちろん、
アンマ椅子
を置いてしまったりしちゃ、ダイナシなのであります。
インテリアは思想であります。
CMのように生きること、
これが現代人の希望であり、現代人の理想なんです!
畳をカーペットで隠している諸君!
とりあえずその上にスノコを敷きつめよう!
スノコを敷けば、そこはもう板の間だ。
しかし、諸君。
この場合はもっと細心の注意が必要だ。
この思想はややもするとそのまま銭湯的になりがちだからだ。
さよう、インテリアに最もキンモツなもの、
それはアンタ!
「大衆ですよ、大衆、タイシューがキンモツ!!」
」
』
【習文:目次】
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