2010年3月16日火曜日

: 臨死体験の5段階

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● 1998/04[1997/12]



 臨死体験にはおおむね5つの段階で成り立っている。

 まず第一段階として、安らぎや安堵感を覚える。
 多くの体験者が臨死体験を素晴らしいもの、心地よいものと表現している。

 次の第二段階が、対外離脱体験(アウト・オフ・ボデイ・エクスペリエンス)。
 通常は「OBE」と略される。
 自分の意識の主体が肉体から浮き上がり、自分の肉体を見下ろすことで、俗に言う「魂が抜け出た」状態である。
 このときの体験者の感覚は非常に明晰であり、冷静かつ客観的に離脱の状況を受け入れ、周囲を観察する。
 かっては意識の主体が肉体と紐で結ばれていたと報告する体験者も多かったが、近年ではそのような紐を見るものは少なくなってきている。

 第三段階で体験者は光の世界へと向かう。
 多くの場合、一旦やみの中に入り、そこを抜けて光の世界へと到達する。
 トンネルを潜っていくような感覚であるといわれる。
 光の世界とは「死後の世界」あるいは「天国」である。

 第四段階として、光の世界に到達した体験者は美しい風景や建造物、あるいは神や仏、死別した知人の姿を見る。
 神と会話してメッセージを託されたり、全宇宙と一体になったような法悦感を覚えたという例もある。
 さらに、これまでの自分の人生が走馬灯のように浮かんできたと語る者もいる。
 それらの光景が自然に蘇ってくる場合もあれば、神が意図的に見せてくれたという場合もある。

 そして体験者は、神などから「おまえはまだここに来るべき人間ではない」といった拒絶の意向を聞き、あるいは背後から呼ぶ声が聞こえたり無理やり引き戻される力を感じたりして、自らの肉体に戻る。
 このとき体験者の多くは「死後の世界」の心地よさを思い返し、そのまま留まっていればよかったと後悔する。
 これが第五段階である。









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