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● 1995/07
『
敗戦・占領・混乱。
お先真っ暗という時代を我が民族は、半世紀ほど経験している‥。
あ、飢え死にした者もいたし、ものの価値観もさかさまになってしまった。
日本的なものは、歴史・伝統を含めてすべて否定された。
しかもユニークなのは、それを日本人自らが進んでやったということだ。
オッタマゲタのは占領軍のほうではないかな‥。
それまでは、世界に名だたる勇猛果敢で、死をもおそれぬサムライ国家だったからな。
サムライの心はどこへいったかって‥。
この民族は今世紀の前半で「500年分の戦争」をしてしまったのではないかな‥。
なにしろ50年ほどの間で、中国・ロシアと戦い、アメリカ・イギリスと戦ったんだから。
こんな小さな貧しい島国としては、やり過ぎだと思うよ。
日本人自身も、武士道とかサムライという建前の精神に、がんじがらめになり、方向を見失い他国に侵略するなどの過ちをおかし、疲れ果ててしまったのだろう。
それにこの民族には、ある独特の自律神経が発達しているため、これからの存立は経済だと考え、よい製品をつくることに熱中してしまった。
サムライの心とは、人間としての生き方、死に方、戦い方の精神を限界まで突き詰める思想だからね。
それをそのまま、物をつくる心、職人道に入れ換えてしまったのさ。
サムライの心から職人の心にチェンジしてつくられた日本製品は売れに売れ、世界のお金持ちになった。
しかし、お金を持ちつけないヤツが、急にお金持ちになるとロクなことがない。
成金から高慢に向かうには、さほど時間はかからなかった。
反省ザルは、反省を忘れればただのサルさ。
うぬぼれから投機に走りすぎて、墜落したのが平成バブルの経済崩壊の実態だ!。
かって軍事で行った失敗を、今度は経済で犯してしまったわけだ。
』
【習文:目次】
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