2010年2月15日月曜日

: 戦略と生産性


● 2001/05[2000/04]



 戦略は真のイノベーションを必要とする。
 戦略とは、独自のポジションを選択し、それに応じて活動を調整するということに留まってはいない。
 戦略とは、顧客に「価値を提供」する上で、トレードオフ(二者択一)を実行することである。
 つまり、一方のポジションを増強したければ他方を減らさねばならない、こともある。
 トレードオフは、模倣の可能性を制限する。
 「何をしないか」という選択が、戦略の核心なのである。
 必要以外の顧客、ニーズ、機能やサービスは提供しない、と決定することが、戦略策定の基本である。
 何をしないか、を選択するということは、一見事業の成長を抑制するように思われるため、特に困難が伴う。

 戦略に基づく競争は、ゼロサム・ゲームではない。
 日本の強みであるオペレーション効率は、依然として重要な要素であろう。
 しかし、戦略なくして、競争に対する日本型アプローチは、致命的までに不完全である。

 ある国の富は、最終的には、その国の企業が競争を通じて達成する生産性に依拠している。
 一国の経済全体における生産性は、その国の人的・資本的・物的資源一単位当たりで生産される財やサービスの価値という尺度で測ることができる。
 労働あるいは資本一単位によって生み出される収入が、その国の賃金水準や、投資効率性、物的資源から生み出された付加価値のレベルを規定する。
 これらが、一人当たり国民所得の決定要素となる。
 そして、この生産性が、一国の競争力を規定するのである。
 生産性とは、その国によって製造される製品が市場に要求することのできる価値(価格)と、その製品が生産される際の効率性とを包含する概念である。
 一国の生産性は、その国で事業を行うすべての企業の生産性を総和したものと考えられる。
 「望ましい産業」だけを重点育成しようとする政策は、競争力に関する誤った理解からくるものである。

 もはや、国の地理的条件や天然資源、軍事力などは、重要な要素ではない。
 富が実際に創りだされるのは、ミクロ経済レベルなのである。
 つまり、企業が高付加価値の製品やサービスを効率よく創り出すことができるかどうかにあるのであり、この能力こそが、高い賃金や資本効率を支えることができるのである。
 経済繁栄は、国の競争力をミクロレベルで向上することができるかどうかにやって決まる。



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 何故<チョコレート>が出てくるのだろう。
 どうも日本の常識では理解できない発想である。
 論理の辻褄あわせをしているようにみえる。
 あまりよく分かっていないのかもしれない。



 【習文:目次】 



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