2010年2月9日火曜日
: ハイパー・インフレがやってくる
● 2002/07
『
2001年に入って世界の動きが変わってきた、
これまでの金融経済(ペーパー・マネー)を中心にした動きから、石油・貴金属・希少金属(レアメタルズ)、それから食糧・エネルギーを含む実物経済(タンジブル・エコノミー:tangible economy)に移りつつあることがはっきりしてきた。
世界は、「ペパー・マネーから実物へ」である。
「景気は、回復の兆しが見え始めたように思われる」といった大本営発表のような政府発表を信じる人はもうどこにもいない。
景気は回復していないし、これからも回復しない。
そう考えたほうが筋が通る。
今、日本は激しいデフレ経済である。
日本は1993年からずっとデフレである。
10年前のあのバブル景気の頃の一万円札は、今の千円札と同じくらいの価値だろう。
今の千円札はなかなか使い出がある。
消費物価はきわめて落ち着いている。
そのかわり給料も上がらないし、残業手当は出ないし、預貯金にもきんりがほとんどつかない。
デフレという国民経済の様相を私たちは生まれて始めて経験している。
1998年頃から「偉い」経済学者や官庁エコノミストたちが、デフレを病気と見立ててそれを治そうとして、「それなら無理やりインフレという病気にしてしまえばいいではないか」と考えて必死に努力した。
そのために、日銀は湯水のようにお札を刷らせた。
だが、デフレという難病は治らない。
どんなにお札を刷りまくって市中に流しても、目標に定めたインフレ病には移行しないのだ。
人工的にデフレをインフレに変えるというのは狂気の沙汰である。
そんなことをしたら、そのあとにハイパー・インフレが襲いかかってくるに決まっている。
こうして国民のお金を何年も使い散らしたにもかかわらず、景気はまったく回復しなかった。
高名な経済学者たちは、一様に大恥をかいたが、もう為す術はない。
打つべき新奇な手はないのである。
ところが、世界経済が急激に変化を起こしそうな気配になってきた。
石油の値段が急激に上がりだしたからだ。
それまで1バレル(約160リッター)あたり18ドルくらいであったものが、2000年9月には37ドルまで急騰した。
石油の価格が上がってくると、その他の消費物価に影響してくる。
エネルギーの高騰に伴って消費物価が上がってくるとインフレになる。
それで、インフレ経済に転換したことになるから、これでやれやれデフレが終わって実にメデタシメデタシ。
ということになるわけがない。
今度は、日本を激しいインフレが襲うのである。
年率50%といった激しいインフレ経済の波が押し寄せるだろう。
それは悪化して、やがて「ハイパー・インフレの嵐」となる。
それは、3,4年先(2005,6年頃)であろうと冷酷に予測している。
米ドル紙幣の通用力がぐらついて世界は同時的に超インフレ状態に移行していくだろう。
今回の原油の値上がりはその前兆であり、この動きはこれから本格化するだろう。
』
【習文:目次】
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