2010年12月5日日曜日

: パキスタン、現在の形では生き残れない


● 2007/05[2003/11]



 パキスタンは私が現在の形では生き残らないと考える国の一つである。
 インドとの拭い去りえない不和は別にしても、そう思う。
 パキスタン国内の地域間での違いや、お互いへの敵意が強く、国の存続を危うくするほどである。
 ここは、インド独立に続いて起きたイスラム教徒の大量移住の中で急遽成立した国なのである。
 1947年にパキスタンに移ってきたイスラム教徒は今でも、当時すでにそこにいた人たちとは区別されている。
 彼らの子や孫たちはいまだに「劣等」なのだ。
 階級の別は、旧東ドイツの人たちが差別されている現在のドイツのそれに近い。
 英国のひどい官僚によってでっちあげられたこの国は、もはや芯がもたなくなっている。
 パンジャブ地方の農家はパルチスタンの部族民とは何も共有するものがない。
 最北西部の住人は何世紀も前になんかしてきたコーカサスの末裔である。
 今でも目の青い人が多い。
 第二次世界大戦後に組み合わされたさまざまな場所にはほとんど共通する要素がない。
 この国は不安定である(核兵器を持っているから、特に危険だ)。
 そのうち数カ国に分かれるだろう。

 インダス川流域の人々は数千年前に、今日私たちが使っている数の体形を作り出した。
 私たちはその数字を「アラビア数字」と呼ぶが、征服者であるイスラム教徒は単にこの効率的な体系を採用して世界に広めたにすぎない。
 この文明は数字を発明したにとどまらない。
 ヒマラヤから流れ出る大量の水を管理することにかけても非常に巧みだった。
 今日、この国の中心である農業経済は、5万マイル(8万キロ)に及ぶ運河を管理する、スックル堰として知られたダムと水路交換の精巧なシステムに多く依存している。
 戦略的に重要なため、この工学的に優れた結晶は撮影を許されなかった。
 たとえばアメリカにはこれほどまでに唯一重要なものはみあたらない。
 エジプトにおけるアスワンハイ・ダムと類似しており、これが破壊されれば、実質的に国が破壊されたも同然である。


(注).インダス川はパキスタンの中央を縦断する。
    ちなみに、ガンジス川はインドの三角形の底辺を横断する。





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