_
● 神保町ミュージアムより
『
解体新書 巻の一
日本 若狭 杉田玄白翼 訳
同藩 中川淳庵麟 校
東都 石川玄常世通参
官医 東都 桂川甫周世民閲
◇第一 解体大意(解剖学総論)
◯.解体の書(解剖書)とは解剖の方法を述べる本である。
また、身体の形および名称、ならびに諸々の臓器の外形および内面とその主たる働きを説明するものである。
◯.こうしたことを明らかにしたいと思う者は、ただちに死体解剖をするのにまさることはない。
そのつぎに禽獣を解剖するのがよい。
◯.解剖の方法は6つある。
その一は、骨および間接を調べることである。
その二は、腺のある場所を調べることである。
(これは中国人もいままでに記述していないものであり、大きさも大小さまざまで、場所もいろいろな所にある)
その三は、神経を調べることである。
(これは、中国人がいままでに記述していないもので、視覚、聴覚、言動はこれによって支配されているのである)
その四は、脈管の走行および脈の触れるところを調べることである。
(これは中国人の述べていることと一致しない)
その五は、臓器の形状およびその作用を調べることである。
その六は、筋肉の走行を調べることである。
(これは、中国人の述べていることと一致しない)
◯.解剖の方法をくわしく知りたいと思うものに要点が3つある。
その一は、解剖にくわしい者に師事することである。
その二は、同志と道具が揃うことである。
その三は、古今の解剖書をすべて熟読すべきことである。
◯.解剖する者が重要と考えていることに4つある。
その一は、身体の外形を知ることである。
その二は、内部構造を知ることである。
その三は、病因および死因を知ることである。
その四は、死体が腐敗して朽ちる過程をよく観察して、全貌をしることである。
◇第二 形体名目篇(形体、名称)
<<以下 略>>
』
【習文:目次】
_